上海初の「文学クルーズ船」が北外灘で開館

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3月30日、「全民読書週間」の幕開けに合わせ、「スーパー文学クルーズ船」として注目を集める読書空間の「虹書舫」が北外灘の「一江一河(黄浦江と蘇州河)」ウォーターフロントの核心エリアにて開館式を行いました。

真っ白な船の形をしたこの建物には、厳選された500種の書籍・定期刊行物、2000冊に及ぶ良書が収められています。従来の文化空間の枠を超え、「読める世界文学史」とも称される専門的なコレクションが整備され、上海初の「世界文学」をテーマにした特色のある読書空間として誕生しました。

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上海初の「世界文学」をテーマにした特色のある読書空間「虹書舫」が北外灘にて開館(写真提供・文匯報)

なかでも、「ノーベル文学賞特設コーナー」には、115名の受賞者による218作品が展示されています。1901年の第1回ノーベル文学賞を受賞したシュリ・プリュドム の抒情詩から、2025年の受賞者であるハンガリーの作家クラスナホルカイ・ラースロー  の最新作『The World Goes On(世界は続く)』まで、100年以上にわたる世界文学の成果が一堂に会しています。また、ペーター・ハントケ 、大江健三郎、J.M.クッツェー などの巨匠たちの「個人文学アーカイブ」も完備されています。

さらに、カフカ賞受賞作62点、ヒューゴー賞を受賞したSF名作39点、セルバンテス賞受賞作35点などにより、世界各国からのスタイルが多様な作品を網羅する「国際文学賞コレクション」が整っています。これにより、地域やスタイルの垣根を越えた名作が集い、多様性に富んだ文学のエコシステムが形成されています。

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「読める世界文学史」とも称される専門的なコレクションが整備された「虹書舫」の内部(写真提供・「虹書舫」)

中国文学コーナーでは、中国・上海・虹口の文化に着目し、茅盾文学賞受賞作31作品、魯迅文学賞受賞作14作品、老舎文学賞受賞作12作品からなるコレクションを通じ、中国現代文学の歩みを一望できます。特に、「海派文学(上海流文学)特集」では、陳丹燕や王安憶をはじめとする16人の作家による32作品の豪華装丁版が収録され、地域文化の厚みと温もりを感じさせる内容となっています。

開業後は、「虹書舫」は国内の有力紙『文匯報』と連携して「作家応接間」企画を実施し、文学サロンや作家対談、名作の共同読書など多彩なイベントを開催するほか、上海の作家や文化研究者を招き、所蔵資料をもとに海派文学の歩みと地域性を紐解く「海派文学シェア会」も予定しています。

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中国文学コーナー(写真提供・「虹書舫」)

世界文学の名作にとどまらず、虹書舫では、「海派文化クリエイティブグッズ」や虹口区による文化・観光・商業・スポーツ融合型ブランド「虹口ギフト」、スタンプラリー体験ショップ「上海の印」、「外灘音楽マーケット」、「デッキマーケット」、LUMINA光橋・グルメ体験、「星耀上海――上海に刻まれた世界の著名人の足跡」など、8つの業態を融合させた複合文化空間が広がっています。

同時期に登場する音楽ブランド「外灘音楽マーケット」では、「流れる四季の詩篇」をテーマにした没入型パフォーマンスが展開され、「読書×音楽」という新たな体験を来場者に届けます。また、多元的な文化空間「好奇角」では、月替わりで歴史のある貴重な一点物を展示し、初回は現存一台のみの「彩鳳牌」足踏みオルガンが公開されています。また、「虹口ギフト」「海派文化クリエイティブグッズ」「上海の印」「虹書舫オリジナルグッズ」の4つのブランドにより、多彩な文化グッズも揃っています。

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「星耀上海――上海に刻まれた世界の著名人の足跡」特別展(写真提供・「虹書舫」)

2階で開催されている特別展「星耀上海――上海に刻まれた世界の著名人の足跡」では、100年前に上海とゆかりを持った世界の著名人たちの物語を第一人称の語りで再現し、来場者が時空を超えた偉人との「対話」を楽しめます。さらに、蘇州河畔のLUMINA光橋では、「昼はカフェ、夜はバー」として楽しめる新たな文化スポットとなり、「食×文化×空間」を軸に、没入型体験空間を創出します。多様な業態が相互に補完し合うことで、公共文化空間としての魅力を高めると同時に、消費の活性化にも寄与しています。

さらに、虹書舫は「チケット半券」の連携による特典が受けられる消費モデルを導入し、徳雲社上海劇場やSpicyComedy上海語スタンダップコメディなどと連動することにより、来場者が読書と公演の双方を楽しみつつ、二重の特典を享受できる仕組みを実現します。このように、業態の垣根を越えた「読書×演劇」のクロスオーバー交流を促進することで、文化体験の充実と地域消費の活性化を同時に図ります。

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「虹書舫」の外観(写真提供・「虹書舫」)

「一江一河」における重要拠点に位置する虹書舫の開館は、上海に新たな文化施設が増えただけでなく、今後、蘇州河両岸間の相互誘客を実現することで、北外灘エリアの機能高度化と、文化・商業・観光・スポーツ・展示の融合的な発展を一層後押ししていくことが期待されます。

出典:文匯報、上観新聞